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成和ビジネスコンサルティング新着情報

【国際労務教室】 外国人の起業と在留資格
 外国人がわが国において起業し又は既存の事業の経営・管理に従事する場合、その活動は「経営・管理」の在留資格に該当します。「経営・管理」の在留資格に該当する活動は、外国人が事業の経営や管理に実質的に参画し、従事するものでなければなりません。単に資金を出資するのみでは、「経営・管理」の在留資格に該当する活動には当たりません。  
  
 この点を明確にする基準として、「事業所の確保」と「事業の継続性」の2つの基準の認定が重視されます(※1)
 
 具体的には「事業所の確保」とは、「事業を営むための事業所が本邦に存在すること」をいいます。月単位の短期間賃貸スペース等を利用したり、容易に処分可能な屋台等を利用する場合は認められず、例えば、賃貸借契約において使用目的を事業用とし、当該法人を借主の名義人とするなど、物件が当該法人により使用されることを明確にする必要があります。
 
 「事業の継続性」については、わが国に居住する2人以上の常勤職員を雇用するか、資本金の額又は出資の総額が500万円以上であること、あるいはそのどちらかに準ずる規模であると認められる場合に認定されます。
 
 なお、愛知県においては、国家戦略特区の規制改革メニューにより、県が創業活動計画の審査・確認を行った場合に限り、外国人起業家に対する上記2つの基準の確保を上陸後6カ月猶予する施策を実施する予定です(※2)
 
 (※1)出入国管理法基準省令 (※2) 平成29年4月から実施予定。
 

 

 
【国際労務教室】 新設 外国人技能実習法の概要
 昨年11月28日に公布された「技能実習法」(※1)は、外国人技能実習生(以下実習生といいます)の保護を図るための技能実習制度適正化と、同制度の拡充推進を目的としたものです。
 
 技能実習制度の適正化を企図する取り組みとして、新たに技能実習の受入企業は、実習生ごとに技能実習計画を作成し、新設された「外国人技能実習機構」の認定を受けなければ、実習生の在留資格認定を申請できなくなりました。受入企業には、外国人技能実習機構への届出義務が課され、実習生受入期間中は、この実習計画に沿って技能実習を行わなければなりません。外国人技能実習機構は、その他に実習生の監理団体の許可基準や体制調査、実習生からの相談への対応・援助等を行います。今後は、実習生の人権侵害行為を防止し、罰する体制を強化することを目的に、地方レベル・国レベルの各行政機関が連携して対応するとされています。
 
 一方で、外国人人材の育成を通じた国際協力を推進すべく、優良な実習実施者(受入企業)と監理団体に限定して、実習生の受入が拡充されます。具体的には、実習生が所定の技能評価試験の実技試験に合格した場合には、技能実習の期間を現行の3年間から5年間に延長できます(※2)。また、適正な技能実習が実施できることを要件に、受入企業の常勤職員数に応じた実習生の受入人数枠を現行の2倍まで増加させることが認められます。
 
 このような技能実習法による新たな措置については、公布後1年以内の施行に向け、順次、具体的な取扱いが公表されていく予定です。
 
 (※1)「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(※2)「技能実習3号」が創設されます
 

 

 
【国際労務教室】 外国人留学生の資格外許可制度

  企業に人材不足感が拡まる中、留学生アルバイトの活用に注目が集まっています。外国人留学生は、日本において教育を受けることを目的とする「留学」の在留資格をもって我が国に在留しています。許可された「留学」の活動範囲以外に、収入を受ける活動を行おうとする場合は、あらかじめ資格外活動の許可を受けなければなりません。

 資格外活動の許可には、包括的許可と個別的許可の二種類があります。

 包括的許可は、雇用主である企業等の名称、所在地及び業務内容等を指定せず許可を受ける方法です。一般に、雇用主が変わる度に許可申請を行う必要のない利便性から、包括的許可による資格外活動許可を受ける留学生が大多数です。
 
 包括的許可を受ける場合は、在留目的がおろそかにならないよう、就労時間について1週間に28時間以内(学則等に定められる長期休業期間中は1日8時間以内)という制限が設けられています。また、遊興施設や低照度の飲食店といった風俗営業法上の風俗営業を営む店舗や、性風俗営業店舗においては、たとえ営業内容に関係のない皿洗いや清掃といった業務内容であっても、就労することはできません。
       
 一方、個別的許可は、雇用主である企業等の名称、所在地及び業務内容等を個々に指定する活動について許可を受けるものです。個別許可による資格外活動許可を受ける場合は、上記のような就労時間の制限はありません。これらどちらかの方法により資格外活動の許可を受けていない留学生を働かせた場合、不法就労として事業主も罰せられることがあります。
 
 
【国際労務教室】海外出向者の長時間労働・過重労働
 労働者の長時間労働及び過重労働に対する行政の重点監督が推進される中、長時間労働抑制が企業の経営課題の一つと言えます。このような情勢の中、置き去りにされがちな海外出向者の労働時間管理の在り方についても再確認する必要があります。
 
 海外出向者については、海外出向者自身が現地法人の責任者であり管理職として認識されており労働時間管理がされていない、あるいは、労働時間管理が現地法人の上司に一任され国内の人事部門の管理がなされないといった事情から、不適正な労働時間管理の下、恒常的な長時間労働が行われていることがあります。
 
 しかしながら、海外出向者と出向元国内企業は在籍出向契約により労働契約を継続しており、社命により労働者を現地法人等に送り出した国内出向元企業には、労働者に対する安全配慮義務が課せられていると解されています。この安全配慮義務を怠った場合、民事上の責任を追及され多額の損害賠償を求められる訴訟に発展することもあります。     
                        
 海外出向者の労働時間を適正に把握し、長時間労働や過重労働を是正するためには、国内出向元企業が現地法人等から勤怠関連の情報収集を行う必要があります。時間外労働時間はもちろん、長時間移動を伴う出張の頻度、拘束時間の多い業務環境など、身体的負担の多い要因を把握し是正方法を出向元と出向先が共同で検討することが大切です。
       
 情報通信の手段が発達した昨今、「海外勤務であるため把握ができなかった」では済まされない場合があり得るという意識が求められます。 
 
(※) 昭和25年8月24日基発776号。
 

 

 
【国際労務教室】愛知県の「外国人雇用特区」具体的提案
 国家戦略特別区域の施策として、愛知県が昨年提案した「外国人雇用特区」について、この程、具体化検討資料が公表されました(※)
 
 当該「外国人雇用特区」は、労働力人口が減少する中、特区において、新たな在留資格「産業人材」を認め、就労と居住を許可するというものです。専門的・技術的分野の在留資格を有する高度人材と、単純労働に従事する定住者等の在留資格とのギャップを埋め、高度に準じる外国人材を長期的に確保・定着させることを目的としています。
 
 同資料によると、受入体制については、既存の外国人技能実習制度の枠組を活用し、事業協同組合等の監理団体を介して行うものの、家族の滞在を認める、5年の在留資格及び更新を認めるといった優遇措置がとられます。
 
 受入れ産業分野については、労働力が現在及び将来において不足する分野において、①就労系の他の在留資格により入国・就労が不可能であること、②技能資格等により技能レベルが測定できること、③外国人の活用が進む分野であることの三項目を考慮し、最終的には、外国人労働者の受け入れが地域の成長・発展に寄与すると考えられるか否かにより決定されます。
 
 想定産業分野は、食料品・金属等の一部の製造業における製品製造等の職種とされました。製造業の分野において、追加的労働力確保源として、愛知県の提案が国の認定を受けられるのか注目されます。 
 
(※)平成28年9月16日 国家戦略特区ワーキンググループ 愛知県提出資料「「外国人雇用特区」について 【具体化検討結果】」