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成和ビジネスコンサルティング新着情報

【国際労務教室】愛知県の「外国人雇用特区」実施の提案

愛知県は、国家戦略特別区域における「外国人雇用特区」の実施を提案することを2015年11月24日に発表しました。

国家戦略特別区域とは、国家戦略特別区域法のもとに日本経済の活力向上や持続的発展のため、地域限定で規制や制度を改革すべく指定された、特別区域のことを言います。産業の国際競争力を強化すると共に、国際的な経済活動拠点を形成する事業等の実施が求められます。

 これらの事業を実施するためには、当該地域における国家戦略特別会議で審議した区域計画について、内閣総理大臣の認定を受けなければなりません。

 愛知県がこの程発表した「外国人雇用特区」案は、国家戦略特別地域において外国人労働者の受け入れ要件の拡充を提案するものです。受け入れ促進の対象となる外国人は、「過去に「技能実習制度」を優秀な成績で修了した外国人や、それに相当する資格・能力を持つ外国人のうち、我が国の労働者として雇用されることを希望する者」(※1)とされ、このような一定レベルの能力を持つ外国人には、新たな在留資格「産業人材」を認め、最長5年の在留期間や配偶者等の帯同を容認し、その者の就労・居住を許可するとされています(※2)

 既に、東京都や福岡市などでは、外国人創業人材等に対する在留資格「経営・管理」の要件緩和や、外国人向け医療環境の整備のための外国医師の業務解禁といった区域計画が認定を受け実施の時期を迎えています。愛知県の取り組みは、他県にはない独自の提案であり、内閣総理大臣の認定を受けられるか予断は許されませんが、その成り行きが注視されます。

(※1)「外国人雇用特区について【新たな規制改革の愛知県提案】」(愛知県庁)より引用。

(※2)同左提案より。

 
【国際労務教室】外国人労働者の在留資格に係る審査基準

日本において就労を希望する外国人は、入国する前に在留資格の認定申請を行い審査を受けます。この審査においては、基準省令(※)により在留資格ごとに定められた基準に該当するか否か等が確認されます。

ホワイトカラーの外国人労働者が申請することの多い在留資格「技術・人文知識・国際業務」においては、①学歴、②実務経験、③報酬の3つ基準が挙げられます。 
 
当該在留資格認定の申請人は、①学歴について、当該在留資格に関連する科目を専攻して、「大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けた」か「本邦の専修学校の専門課程を修了した」か、あるいは、②実務経験について、「10年以上の実務経験」を有することが求められます。学歴の基準については、海外の教育制度における大学等を卒業した場合には、当該学歴が上記の学歴要件を満たすのか確認する必要があります。実務経験の基準については、大学等の後期課程において当該在留資格に関連する科目を専攻した期間等を含めることができますが、アルバイトとして従事した期間は原則として認められない点に留意が必要です。
 
上述の③報酬の基準は、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」というものです。申請人の報酬が、個々の企業の賃金体系を基として日本人と同等額以上であるか、または、他社同種の職種、同学歴程度の日本人と同等額以上であるかを審査される点に、雇用主である企業は注意を払う必要があります。

(※)「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(平成2年5月24日法務省令第16号)」

 
【国際労務教室】外国人労働者の雇用状況の届出

外国人を雇用する事業主は、雇用対策法第28条に基づき、外国人労働者の雇入れや離職の際、その氏名、在留資格、在留期間等を、公共職業安定所長に届け出なければなりません(※)

外国人雇用状況の届け出方法は、該当する外国人が雇用保険の被保険者か否かによって、届け出に使用する書類や届出先、届出の期限が異なります。
雇用保険被保険者となる外国人の場合、雇い入れ時に被保険者資格を取得させる際と、退職時に被保険者資格を喪失させる際に、外国人雇用状況を届け出る必要があります。具体的には、各々の手続きをする届出書の中の「備考欄」において、在留資格、在留期間、国籍・地域、資格外活動許可の有無を記載することができます。それに対し、雇用保険の被保険者とならない外国人の場合は、「外国人雇用状況届出書」を入手し、氏名、在留資格、在留期間、雇入れ又は離職年月日等を記載し、雇入れ日又は離職日の翌月の末日までに届け出なければなりません。
同届け出制度は、平成19年にスタートした比較的新しい制度です。特に雇用保険被保険者とならない短期間または短時間雇用の外国人労働者について、いまだに届け出が漏れてしまうケースが見受けられますが、外国人雇用状況報告は、法的に届け出義務が課せられた届け出制度です。従って、外国人であると容易に判断できるのに故意に届け出なかった場合には、指導、勧告の対象となると共に30万円以下の罰金の対象にもなります。                  

(※)在留資格の「外交」「公用」「特別永住者」を有する外国人は対象になりません。

 
【国際労務教室】改正国家戦略特別区域法における外国人人材受入促進

  今夏7月に改正国家戦略特別区域法が公布され、国家戦略特区において、家事の代行又は補助する業務を行う外国人を、国内企業が雇用契約に基づき受け入れることを可能とする、出入国管理法の特例が規定されました(※1)。また、同改正法においては、外国人の創業人材の受け入れを促進するため、国家戦略特区においては創業を目的として上陸する外国人に対し「経営・管理」の在留資格の要件を緩和することも、一定の要件の下、可能とされています。 

そもそも国家戦略特区とは、「国家戦略特別区域法」(平成25年施行)を根拠法とし、産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動の拠点形成を促進するほか、規制改革や重点的施策を推進することを企図し、国が指定する区域のことをいいます。国家戦略特区には、東京都・神奈川県・千葉県内の各地域に跨る「東京圏」、大阪府・兵庫県・京都府からなる「関西圏」、愛知県、新潟市、福岡市等が指定されています。

これらの国家戦略特区においては、他の重点施策と共に、外国人人材が活躍できる環境の整備の促進が図られます。現状においては、各国家戦略特区に設置される「国家戦略特別区域会議」において協議・策定された「区域計画」が順次内閣総理大臣から認定され、各国家戦略特区の地域産業や経済状況に応じたプロジェクトが始動しつつあるところです。外国人人材の活用を企図するグローバル企業としては各国家戦略特区の動向に注視すべきです。            (※1)「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」平成27年7月15日公布。

 
【国際労務教室】海外駐在員のビザ取得と労働許可証 (Work Permit)

 海外駐在員が赴任先国に上陸するためには、有効な旅券を所持することに加え、「ビザ(査証)(以下、ビザとします)」が免除される場合を除き、旅券に有効なビザを取り付けていることが必要とされています。

また、海外駐在員のように中長期就労を目的として上陸する場合には、一般的に就労ビザを取得すると共に、事前あるいは事後の労働許可証(Work Permit)の発給申請が求められます。 

例えば、お隣の国中国を例にとると、日本人駐在員が中国に赴任するためには、まず中国国内において、雇用者となる中国企業(現地法人等)が、事前に「外国人就業許可証書」(※1)を申請取得し、これを駐在員あるいは日本側雇用者の担当者に送付します。

この「外国人就業許可証書」を受け取って初めて、中国駐在員の就業ビザの取得申請が可能となり、次に日本側において、査証申請表と共に「外国人就業許可証書」(※2)及び旅券等を駐日中国大使(領事)館に提出し、就業ビザ(※3)の取得を行うこととなります(※4)

各国ごとに、ビザの申請取得制度は異なりますが、海外駐在員のビザ申請においては、特に労働許可証を申請する必要性の有無や、労働許可証の申請のタイミングに、注意を払う必要があります。

 

(※1) (※2) 他に「被授権単位査証通知表」(ビザ授権通知書)などの申請・添付を要します。

(※3)「Zビザ」といいます。(※4)入国後、実際に就業するためには、さらに「外国人就業許可証書」に基づいて中国企業(現地法人等)と労働契約を締結し「外国人就業証」の発給を申請し、なおかつ居留許可を取得する必要があります。