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職場意識改善助成金制度〔労務〕

 平成22年3月19日の労働時間等設定改善指針「労働時間等見直しガイドライン」改正に伴い、「労働時間等設定事業」に関する各制度の周知・広報活動が厚生労働省により推進されています。
 この「労働時間等設定事業」は、従業員の仕事と生活の調和(ワーク・ライフバランス)に配慮し、企業が従業員の労働時間等の設定を適切に改善することを目指すものです。
 この事業には「職場意識改善助成金」と「労働時間等設定改善推進助成金」の二つの助成金制度がありますが、今回は中小企業にとっても比較的取り組みやすい「職場意識改善助成金」を取り上げましょう。

◆◆ 職場意識改善助成金 ◆◆

1.概  要

中小企業における労働時間等の設定の改善を通じた職場意識の改善を促進するため、職場意識改善に係る2か年の職場意識改善計画を作成し、この計画に基づく措置を効果的に実施した中小企業の事業主に対して、助成金を支給する制度です。

2.職場意識改善計画

原則として、最低限下の①~③を盛り込む必要があります。

①実施体制の整備のための措置(ア、イ必須)
 ア 労使の話し合いの機会の整備(労働時間等設定改善委員会の設置等)
 イ 労働時間等に関する苦情、意見・要望を受ける担当者の選任

②職場意識改善のための措置(ア、イ必須)
 ア 職場意識改善計画の労働者への周知
 イ 職場意識改善のための研修の実施

③労働時間等の設定の改善のための措置(ア、イ必須、ウ~オのうちいずれか1つを選択)
 ア 年次有給休暇取得措置のための措置
 イ 所定外労働削減のための措置
 ウ 労働者の事情・業務の内容に対応した労働時間の設定
 エ 労働時間等見直しガイドラインに定められた特に配慮を必要とする労働者に対する休暇の付与等の措置
 オ ワークシェアリング、在宅勤務、テレワーク等の活用による多様な就労を可能とする措置

3.支 給 額

◆第1回(1年度目)◆
職場意識改善計画に基づき、1年間取組を効果的に実施した場合・・・50万円

 さらに、上記の助成金を受給した事業主が、次のa~cのうち、いずれかの「制度面の改善」を実施した場合・・・上記支給額に加え50万円
a 所定労働時間を週1時間以上短縮すること
b 1か月45時間を超える時間外労働に係る割増賃金を50%以上に引き上げること など

◆第2回(2年度目)◆
職場意識改善計画に基づき、1年度目よりさらに取り組みを効果的に実施した場合・・・50万円
さらに、1年度目に「制度面の改善」を実施して助成金を受給した事業主が、上記の助成金を受給し、かつ、次の全てに該当する場合・・・上記支給額に加え50万円
・年次有給休暇の平均取得率が60%以上
・事業実施前と比較して所定外労働時間数の平均を20%以上削減
・職場意識改善計画に基づいた措置を行うとともに、効果的に実施

※上に記載した内容は概要であり、この他にも要件があります。この制度の導入を検討する場合は、詳細な要件を確認して下さい。