中国の労務管理事情について、特徴的とされている点をご紹介します。
使用者側の都合により労働契約を終了・解除する場合には、「経済補償金」の支払いが求められます。具体的には、使用者は、下記①~④に該当する場合等に、その会社における従業員の勤務年数に応じて、1年につき1ヶ月分の賃金の額に相当する「経済補償金」を従業員に支払わなければなりません。
① 使用者が合意解除を申し出て、従業員が承諾する場合
② 使用者の責に帰す理由により、従業員が労働契約を即時解除
する場合
③ 使用者が解雇予告又は解雇予告手当の支払いにより、従業員を
解雇する場合
④ 使用者が整理解雇を実施する場合
支払いを求められる経済補償金の額は、以下の数式によります(※1)。
勤務年数の上限は12年と定められていますが、上表の③の場合は、解雇予告手当(1ヶ月分の賃金の額に相当)に加え、経済補償金の支払いも要します。
中国においては、経済補償金という金銭面での労務リスクを念頭に置いた労務管理上の対応が必要とされます。
★経済補償金 = その使用者のもとにおける勤務年数
× 従業員の平均給与(※2)
(※1)経済補償金の計算に際しては、1年未満の勤務年数の算定方法等、詳細な取扱い方法を確認する必要があります。
(※2)労働契約の終了又は解除前12ヶ月の平均給与を指し、使用者所在地における前年度平均賃金の3倍を限度とします。