海外拠点に赴任する人材を募集する方法には、社内の人材から選任する方法と社外より新たに海外赴任予定者として募集する方法の二つがあります。
このうち後者については、国内の事業所で就労する人材を募集する通常の場合とは異なる留意点があります。海外赴任予定者を自社で募集する場合、公共職業安定所における求人申し込み、自社ホームページ・募集広告等による公募、企業説明会への参加の利用等が想定されます。
ここで注意を要するのは、人材募集は、「職業安定法」を遵守し、そのルールに則り行う必要がある点です。例えば、採用後すぐに海外現地法人等で勤務する人材の募集の際には、当然ながら、就労場所が海外事業場であることを明示する必要があります。この場合、企業グループ名や親会社名で募集する等、募集する事業主と採用する事業主が異なると、職業安定法により禁じられる「労働者供給」に該当するとして、公共職業安定所において、求人票を受け付けられないことが多々あります。
また、円滑に海外勤務に適した人材を募集するために、人材紹介会社に人材紹介を依頼することがあります。この場合においても職業安定法のルールを適切に遵守する人材紹介会社を利用する必要があります。即ち、全ての人材紹介会社が海外赴任予定者に係る紹介事業を行うことができる訳ではなく、職業安定法上、海外に現地の職業紹介に関して合法的な存在である「取次機関」を有し、日本において「国外にわたる職業紹介」の許可を得ている人材紹介会社のみが海外への人材紹介を行うことができるという点に注意を要します。