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【国際労務教室】海外赴任者と介護保険サービス

 40歳以上の海外赴任者の多くは、「介護保険適用除外該当届」の手続きを行うことにより、介護保険料の納付を免除されています。
 そのため、「介護保険料を納めていないのに、将来提供される介護保険のサービスに不利益はないのか」と不安を抱く海外赴任者の方もいらっしゃるようです。
 海外赴任者は、その多くが赴任前、介護保険の第2号被保険者に該当します。40歳~64歳で医療保険に加入している人は、自分の住む市区町村の第2号被保険者となります。海外赴任者は、海外転出により市区町村から住民票を除票するため、この要件に該当しなくなり、介護保険の被保険者資格を喪失するのです。
 介護保険制度のサービスは、医療保険と同様に現物給付を主とするため、原則として、納めてきた保険料額によって、サービスの内容が影響を受けることはありません。したがって、海外赴任により適用除外の手続きを行い、介護保険料を納めていない時期があっても、日本の市区町村に住所を転入し被保険者資格を取得すれば、通常通りのサービスを受けられます。
 しかし、日本の市区町村に転入しなければ、要介護・要支援状態になった場合でもサービスの提供を受けることは不可能です。万が一、一定の特定疾患(国が指定したいわゆる難病)に罹患した場合、第2号被保険者の世代であっても、介護保険のサービスが提供されますが、海外赴任者が海外居住を継続する場合は、介護保険のサービスを受けることはできません。