海外で働く日本人が増加することにより、帯同家族として海外に居住する子供たちが海外で教育を受ける機会が増えています。「赴任者の帯同子女を初めて海外の学校に通わせることになったが、海外教育の制度がよくわからない」と中小企業の総務担当者が頭を悩ませることも今や珍しくありません。担当者としては、そもそも日本人の子供たちが海外において教育を受ける学校にどのようなものがあるのか、基礎事項を知っておくとよいでしょう。
日本国内の学校教育に準じた教育を実施することを目的として海外に設置された教育施設は、「日本人学校」「補習授業校」「私立在外教育施設」の三つに分けられます。
「日本人学校」と「私立在外教育施設」は、国内の小中学校、高等学校と同等の教育課程を有す旨の認定を文部科学大臣より受けており、卒業者は国内の高等学校や大学の入学資格を有すことができます。「日本人学校」は、一般に、現地の日本人会等が主体となって設立し、「私立在外教育機関」は、国内の学校法人等が母体となり海外に設置するものです。共に全日制の教育施設です。
これに対し、現地の学校や現地のインターナショナルスクール(外国人学校)に通学している日本人の子どもに対し、放課後等を利用して、日本語で授業を行う教育施設は「補習授業校」といいます。こちらは、現地の学校や現地のインターナショナルスクールと同様に、国内と同等の教育課程を有する旨の認定を文部科学大臣より受けていない点に留意が必要です。