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【国際労務教室】海外赴任者の「在留届」
海外赴任に当たり赴任先国で手続きを行わなければならないものの一つに「在留届」があります。「在留届」とは、日本人が外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する場合に、住所又は居所を管轄する在外の日本大使館又は総領事館に提出することが義務付けられているものです。日本の旅券法第16条の「外国滞在の届出」により定められていますが、罰則規定がなく、手続きを怠ってしまう海外赴任者も見受けられます。
 しかしながら、在外届を提出しておくと、大災害や事件事故などの緊急事態に際し、日本大使館又は総領事館が安否確認をしてくれる、留守宅家族への安否確認の対応をしてくれるといったサービスを受けることができます。海外赴任者を送り出す日本本社としては、海外派遣時に行うべき赴任手続きの一つとして挙げておくことが求められます。
「在留届」と混同されがちな用語として「査証(ビザ)」あるいは、「滞在資格(在留資格)」「就業許可(労働許可)」といったものが挙げられます。
 
これらのうち、海外赴任先国の出入国管理に関する法律に従い、入国目的や滞在予定期間に応じて、入国前に旅券にお墨付きを得るために発給を受けるものが「査証」であり、上陸・滞在を許可される際に与えられるのが「滞在資格」です。さらに、各国の法制度により、外国人の就業を管理するために申請を求められるものが「就業許可」の申請です。いずれも赴任先国の法により規定される手続きである点で、「在留届」とは異なるものです。