厚生労働省は、平成20年度第二次補正予算で拡充・創設した職業安定関連の合計17助成金などを、このほど実行に移しました。関心の高い雇用関連助成金の情報を順次ご紹介します。
◆中小企業緊急雇用安定助成金の改正◆
昨年12月に創設された「中小企業緊急雇用安定助成金」については、景気悪化の深刻化を受け、本年2月に受給要件が緩和されましたが、この3月にも改正が実施されました。特にお問い合わせの多い、本助成金の改正情報を以下にてお届けします。
創設時に申請を断念された事業所でも申請が可能になっている場合もあります。改正事項を再度確認することをお勧めします。
3月19日付の中小企業緊急雇用安定助成金の最新リーフレットはこちらからダウンロードできます。
(リンク先:厚生労働省HP)
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/pdf/
koyouiji.pdf
◆3月実施の改正点ポイント◆
①時間外労働等による休業時間数の相殺の廃止(3月13日)
事業活動の縮小を余儀なくされ、休業又は教育訓練を実施する事業主が、休業等を実施する一方で、時間外労働や休日労働を行うことは一般的には考えられないことから、従来、休業などの時間数と時間外労働・休日労働の時間数を相殺していましたが、今後の取扱いでは、この時間外労働等による相殺が廃止されました。
②助成対象となる教育訓練の判断基準が明確に示されました(3月19日)
助成対象となる教育訓練とは、職業に関連する知識、技能もしくは技術の習得・向上を目的とするもの、また生産性向上につながると認められるものであれば、例外を除いて幅広く認められるものとされました。
【助成金の対象となる教育訓練】
通常の教育訓練カリキュラムに位置づけられていない限り、次のようなものについては、教育訓練として認められます。
(例)技能向上、フォークリフトやクレーン等の技能講習、経営哲学、マーケティング手法、品質向上やQCサークルのスキルアップ、語学、新分野に関する業務内容、ISO、コーチング技法、OA関係、財務分析、モチベーションアップの向上、メンタルヘルス対策、人事・労務管理、リーダーシップ能力開発、コミュニケーション能力開発
【助成金の対象とならない教育訓練】
・通常の教育カリキュラムに位置づけられているもの。
(例)入社時研修、新任管理職研修、中堅職員研修
・法令で義務づけられているもの。
(例)安全衛生法で定める安全衛生教育
・転職や再就職の準備のためのもの。
・教育訓練科目、職種等の内容に関する知識又は技能、実務経験、
経歴を有する指導員又は講師(資格の有無は問いません)により
行われるものでないもの。
・講師が不在であり、かつビデオやDVD等を視聴するもの
◆2月実施の改正点ポイント◆
①支給要件の確認方法が緩和されました。
従前:ア 生産量の最近3か月間の月平均値が前年同期に比べ減少
していること。
(前年決算時の経常利益が赤字であることが必要。ただし、
生産量が5%以上減少している場合は、赤字であることの
確認は不要)
イ 雇用量が3か月間の月平均値が前年同期に比べ増加
していないこと。
改正後:ア 売上高又は生産量のどちらかの最近3か月間の月平均値
がその直前の3か月間又は前年同期と比較して減少して
いること。
(前年決算時の経常利益が赤字であることが必要。
ただし、生産量が5%以上減少している場合は、赤字であ
ることの確認は不要)
イ 雇用量の要件は廃止されました。
②休業等(休業及び教育訓練)規模要件の廃止
従前:休業等を行った日の延日数が所定労働延日数の20分の1以上
であることを要しました。
改正後:休業等の規模要件を廃止し、休業等日数に応じて助成され
ます。
③支給限度日数の引き上げ・クーリング期間の廃止
従前:3年間で200日(最初の1年間で100日を限度)
制度利用後1年間を経過するまでの期間は再度制度を利用する
ことができませんでした。
改正後:3年間で300日(最初の1年間で200日を限度)
連続した利用が可能となり、クーリング期間が廃止
されました。
④短時間休業の要件の緩和
従前:対象労働者全員について1時間以上一斉に行う必要が
ありました。
改正後:対象労働者ごとに1時間以上行われる休業についても
助成対象となりました。
【関連記事】
2009年1月31日 「中小企業緊急安定助成金制度(助成金)」
http://www.seiwa-group.jp/sbc/info/post-4.html
2009年2月6日 「成和グループニュース 2009年vol.4」
http://www.seiwa-group.jp/Seiwa%20Group%20News%202009.01%20vol.4.pdf