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税理士法人 成和新着情報

住民税の医療費控除について(所得税額が0の場合)

  ご自身で確定申告書を作成している者から「社会保険料、生命保険、配偶者、扶養控除等を受けたら、所得税額が0になるときは、わざわざ医療費を計算して控除を受けても、意味がないですよね?」と質問を受けることがよくあります。

 多くの場合は「Yes」なのですが、稀に「No!」の場合もあるため、注意が必要です。

 一般的に、所得税額が0であれば、住民税(所得割。以下同じ)も0となるのだが、ごく稀に所得税額が0であっても、住民税が若干発生する場合があり、その場合には、住民税で医療費控除を受けることで節税を図ることができます。

 所得税も住民税も同じような方法で税計算がされます(※1)。しかし、所得控除が所得税より住民税のほうが低く設定されている(※2)ため、所得税では各種所得の金額<所得控除額となり所得税額が0となる場合であっても、住民税では各種所得の金額>所得控除額となり若干の課税所得金額が生じ、その場合、住民税が発生します。このような場合には、所得税で受けられなかった医療費控除を住民税で受けることで、住民税の節税を図ることができます。

 なお、給与所得のみの一般の会社員は、年末調整で所得税が全額還付された場合には、たとえ医療費があっても、これ以上還付の対象となる所得税が存在しないため確定申告を行えないが、別に住民税の申告を行うことができるため、このような場合に該当しそうな場合には注意が必要である。※1所得税も住民税も、各種所得の金額から所得控除を引いた課税所得金額に税率を乗じて税額が計算される。※2 例えば、扶養控除は所得税では38万円であるのに対し、住民税では33万円である。

 
 
【国際税務教室】 企業グループ内役務提供の独立企業間価格

  多国籍化した企業グループにおいては、経営や財務・労務の管理、営業・購買・物流の支援、経理等の事務といった業務を、グループ内部で相互に提供する活動が散見されます。このような幅の広い活動は企業グループ内役務提供とよばれ、移転価格税制上、当該活動に経済的又は商業的価値が認められる場合には、当該活動に係る適正な対価を提供先のグループ企業から回収する必要が生じます。その際、回収する価格について、迷う場合も少なくありません。

 「移転価格事務運営要領」(以下、「要領」とします)によれば、総原価を5%マークアップした価格をもって独立企業間価格とする方法(※1)(以下、「簡易な算定方法」とします)と、総原価の価格をもって独立企業間価格とする方法(※2)(以下、「総原価法」とします)の二つの算定方法が定められています。これらは、どのように区分して適用されるのでしょうか。

  要領によれば、簡易な算定方法の適用要件は、役務提供が支援的な性質のものであり、当該法人及び国外関連者が属する企業グループの中核的事業に直接関連しないこととされています。他方、総原価法の適用要件は、①役務提供が当該法人又は国外関連者の本来の事業に付随して行われたもの、又は②役務提供が当該法人又は国外関連者の事業活動の重要な部分に関連していないものとされますが、注書きによれば、当該役務提供に要した費用の額が、当該法人又は国外関連者の原価又は費用の総額の相当部分を占める場合には、総原価法の適用をしないこととされていることから、当該役務提供が、いずれの法人においても主要な事業活動に該当しない場合には、総原価法の適用ができるものと考えます。(※1)要領3-11(1)(※2)要領3-11(3)

 
 
【農業税務教室】 補助対象財産の有償譲渡・貸付

  農業経営の法人化やグループ化を行うに際しては、必要に応じて、所有する農業用機械等を新設法人やグループ内の法人に、有償にて譲渡や貸付を検討することがあります。その際、対象となる機械等が補助金等を利用して導入した財産である場合には、補助金の返還とならないよう取り扱いに注意が必要です。

 補助事業により取得した財産(以下、「補助対象財産」とします)は、各省各庁の承認を受けないで、補助事業の交付の目的(以下、「補助目的」とします)に反し譲渡や貸付等は行うことができないとされています(※1)。補助対象財産の有償譲渡や貸付については、どのような場合に承認が受けられるのでしょうか。

 農林水産省に関する補助金の場合、農林水産省大臣官房経理課長の通知(※2)に必要な手続きと承認の基準が定められています。それによれば、補助対象財産の所有者が処分制限期間(※3)内に、補助目的に反して、①使用し、②譲渡し、③交換し、④貸し付け、⑤担保に供し、又は⑥取り壊す(以下、「財産処分」とします)場合には、農林水産大臣に申請(以下、「財産処分申請」とします)し、その承認を受けなければならないとされています。その際、財産処分申請の承認は、有償譲渡及び(一年以上の長期の)有償貸付においては、補助対象財産の所有者の、㋐農業経営の法人化に伴うもので、経営に同一性・継続性が認められる場合、あるいは、㋑事業の効率化等による収益力の向上を図るため、議決権の過半数を有する別法人に譲渡・貸付する場合のいずれかに該当し、かつ、㋒補助対象財産の処分制限期間の残期間内、補助条件を承継する場合においては、補助金返還は不要(国庫納付を要しない)とされています。

(※1)補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 22条 (※2)補助事業等により取得し、又は効用の増加した財産の処分等の承認基準(最終改正 令和3年12月24日3予第1774号)(※3)農林畜水産業関係補助金等交付規則5条で定める期間

 
 
【農業税務教室】 生物の減価償却の開始時期(成熟の時)

  事業活動に用いられる資産で、1年以上にわたり使用され、時の経過によって価値が減少していくものの中で、税法に限定列挙されているもの(※1)は、減価償却資産とされます。農業においては、果樹などの永年性作物や繁殖用の家畜なども、農業用の機械と同様に減価償却資産(生物)となります。減価償却資産は法定耐用年数の期間にわたって減価償却費として損金(必要経費)に算入されますが、実務上、いつの時点から減価償却を開始するかについて、迷う場合も少なくありません。

 減価償却は、当該資産を本来の目的のために使用を開始した日(以下、「事業の用に供した日」とします)から行うことになりますが、事業の用に供したか否かについては、業種・業態・その資産の構成及び使用の状況を総合的に勘案した判断が必要となります。実務的には、生物の場合、事業の用に供した日は、成熟の時(※2)とされています。具体的に見れば、家畜のうち ①乳牛については、初産分娩の時、②繁殖用の家畜については、初産のための種付けの時、③永年性作物については、当該果樹等の償却額も含めて概ね収支相償うに至る時が、成熟の時と考えられます(※3)。このように、永年性作物や繁殖用の家畜が成熟しているか否かは、個々の生物の実態に伴った判断が必要となります。しかし、そのような判断が困難な場合も想定されます。そのような場合には、法令解釈通達(※4)に記載されている生物の年齢や樹齢をもって、成熟の時とすることもできるものとされています。
 
(※1)所令6条、法令13条 なお、限定列挙されていない生物(バラや採卵用鶏など)は、(減価償却資産ではなく)税法固有の繰延資産として償却を行います(農業の会計に関する指針 5.(1)一般社団法人 全国農業経営コンサルタント協会)。(※2)所基通49-27、法基通7-6-12 (※3)農業の会計に関する指針 5.(3)(※4)所基通49-28、法人税基本通達7-6-12
 
 
退職金について考える

  フジテレビが50歳以上かつ勤続10年以上の社員を対象に希望退職者の募集を発表し、優遇措置として、通常の退職金に加え特別加算金(2018年希望退職時には最大でプラス7千万円であった)が支給されることが、今年1月に発表されました。同社は90億円を退職金による特別損失として計上する予定なので、60人程度が応募しているとの報道より推計すると、1人当たり1億5千万もの退職金を受け取ることになります。

 仮に勤続年数30年であった者が1億円の退職金を受け取った場合、税金は1,887万9,900円(所得税・復興特別税は1,462万9,900円、住民税は425万円)となります。一方で、これが退職金ではなく給与であれば、税金は4,995万7,300円(各種控除は考慮しない)となり、給与課税に比べ相当優遇されているのがわかります。

 これは「退職所得は老後の生活保障的な最後の所得であることにかんがみ、その担税力は他の所得に比べてかなり低い」(昭和42年12月政府税調中間答申)との考えにより税計算に優遇措置が設けられているためである。

 一般的には老後資金の目安は3,000万円だといわれています(総務省の家計調査報告などを参考に生命保険会社等が試算している)。これと比較すると、このケースのような退職金全額を、老後の生活保障のために優遇規定を受けるが妥当なのか・・・という議論もあります。

 退職金制度のない会社が全体の2割に達する今日において、退職金に関し過度な優遇規定を残したままでよいのか、考えてみる必要がありそうです。