読者のなかには、簿記を勉強されている方も多いのではないでしょうか?
簿記の用語の中に「仕入」というものがありますが、これは棚卸資産である商品を購入した際に用いられる勘定科目です(世間一般的な概念とほぼ変わらないのではないでしょうか)。
しかし、消費税の世界では「仕入れ」と表記され、棚卸資産である商品の仕入のみならず、給与手当、旅費交通費、水道光熱費などの経費や、固定資産の購入代金など、幅広い支出に使われます(世間一般的な概念と大きく異なりますね)。
この「仕入れ」ですが、消費税法の条文を読むと2条(用語の定義)、30条(仕入れに係る消費税額の控除)などで、その用語が用いられています。
一方で、国税庁HPや一般的な実務書においては、消費税法30条が(仕入税額控除)と、消費税申告書においては(控除対象仕入税額)と記載されています。
微妙な違いに気付かれたでしょうか?
消費税法にある「仕入れ」が正しいとしつつ、消費税計算の場面においては条文の正しい表記ではなく簡略化されているため、このような違いが見られるのです。
余談ではありますが、税理士試験(消費税法)では、論述問題と計算問題が行われますが、論述問題において「国内において行う課税仕入れもしくは・・・」と書くべきところを送り仮名なしの「仕入」と書いてしまうと、条文を正しく理解していないと受け取られ、減点されると聞いておりますが、皆様はどのように感じられましたか?