新型コロナウィルス感染症の影響で大きく減少した外国人旅行者ですが、水際対策の段階的な緩和に応じて急速な回復を見せています。折からの円安も背景にして、インバウンド消費による経済効果に期待が高まっています。インバウンド消費の拡充を目的とした施策のひとつに、外国人旅行者向け消費税免税制度があります。
この制度は、外国人旅行者等の非居住者が、土産品等として国外へ持ち帰る目的で輸出物品販売場において、免税対象物品を一定の方法により購入した場合は、実質的には輸出と同質であることから、その購入に係る消費税が免除されるといったものです。
そのような中、外国人旅行者向け消費税免税制度によって購入した物品を、ブローカーやネットなどを利用して国内転売するといった不正が問題視されていました。この点について、令和5年度税制改正大綱で課税の強化が図られています。
具体的にみれば、免税購入された物品の税務署長の承認を受けない譲渡又は譲受けがされた場合には、当該物品を譲り受けた者に対して譲り渡した者と連帯してその免除された消費税を納付する義務が課されるとされています(※)。
免税購入する物品は、購入者自身が土産物等として国外に持ち帰る目的で購入し、確実に国外に持ち出す必要があることに注意が必要です。
(※)2023年(令和5年)5月1日以後に行われる課税資産の譲渡等に係る税務署長の証人を受けない譲渡又は譲受けについて適用されます。