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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】平成27年度改正「出国税」(Exit Tax)創設の検討

平成27年度の税制改正大綱の閣議決定に向けて、政府税制調査会において税制改正の審議が進められています。これら審議の中で国際課税に関するものとしては、いわゆる「出国税」(Exit Tax)の導入が検討されています。「出国税」とは一体どのような税なのでしょうか。

租税条約上、株式等の売却益(以下、「キャピタルゲイン」とします)は売却した者が居住している国に課税権があるものとされています。したがって、例えば巨額の含み益を有する株式を保有したまま、シンガポールや香港、スイスなどといったキャピタルゲインに対して課税をしない国に出国し、その後に株式等を売却した場合には、税負担の回避が可能となります。こうした税負担の回避に対抗するために講じられる制度が、いわゆる「出国税」であり、当該制度では出国時において未実現のキャピタルゲイン(含み益)に特例的に課税を行う措置が取られます。

先進諸国においてはこのような「出国税」を導入している国が多く(※)、政府税制調査会において、日本でも行うべきではないかという問題提示がなされ審議が行われています。

  財務省の説明からすると平成27年度(2015年度)からの実施を目指すとされておりますが、課税対象とされる資産規模はいくらなのか、一定の資産規模を超えた場合には(株式等資産を譲渡する予定の有無とは無関係に)一律に出国時に課税されるのかなど、制度の詳細については、今後明らかにされることになります。税制調査会の議論の推移が注目されます。

  (※)導入している国の例としてはアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、オランダ、スペイン、スウェーデン等々(税制調査会資料 平26.10.21[5-5]説明資料より)