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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】 H23年度税制改正 「国外所得の範囲の見直し」

平成23年度の税制改正法案の一部が公布、施行されました(※1)。この内、国際課税に関する改正に「国外所得の範囲の見直し」(※2)があります。
国境を越えた活動への課税は関係国の税制により国ごとになされます。各国は自国の法律で課税要件を規定していることから、国際的な二重課税が生じることがあります。各国はこの二重課税の調整のために、租税条約を締結し両国の課税関係を整理するとともに、自国の国内法でも措置を講じています。我が国も、61カ国・地域(※3)と租税条約を締結するとともに、国内法により海外で納税した税額を我が国の納税額から控除可能とする外国税額控除制度によって、二重課税の調整を図っています。
外国税額控除は国外所得の割合に応じた限度額(※4)の範囲内で可能となります。したがって、海外で課税された所得が存在しても、当該所得が日本の国内法により国外所得ではないとされる場合には、外国税額の控除ができないといった問題が存在していました。
今回の改正では、この国外所得の範囲が拡大されました。改正では、租税条約の締結国で当該租税条約により相手国でも課税ができると規定される所得について、相手国で課税を受けた場合、当該所得は日本の国内法上、国外所得とする旨が明記されたことから、改正前の問題点について整備がなされたことになります。これにより、海外現地法人に出張する日本法人の役員の報酬など、改正前までは国際的二重課税が排除されなかった問題に、解決の余地が生まれます。


(※1)「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」平成23年6月30日公布・施行
(※2)改正法令142条、222条 
(※3)平成23年9月1日現在
(※4)外国税額控除の控除限度額