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税理士法人 成和新着情報

所得控除から税額控除への論議

民主党が政権政党となって初めての税制改正の議論が始まっています。マニュフェストに掲げた「子供手当」創設に伴い、所得税の「扶養控除の廃止」が、新聞の紙面を賑わせています。
その論議の中で、これまで「所得控除」で個人的事情を考慮していた所得税法の仕組みを「税額控除」に変更しようとする意見が出ています。
この二つには次のような特徴があります。
     ①「所得控除」⇒ 所得の高い人ほど減税額が大きい
     ②「税額控除」⇒ 所得に関係なく同額が減税される
①「所得控除」の支持者は、多くの税金を納めている人ほど、減税額が大きいのが【平等】だという意見です。また、②「税額控除」の支持者は、所得金額に関係なく減税額が等しいのが【平等】だという意見です。
双方とも【平等】という言葉を使っていますが、何を【平等】と考えるかは立場や状況によっても異なるものです。 

ところで、日本の戦後の所得税法では、障害者控除や老年者控除(平成17年から廃止)で「税額控除」が採用されていましたが、その後、税制の簡素化等を理由に「所得控除」に変更されたという経緯があります。
今回の「税額控除」への変更論議は算出税額が税額控除額を下回った場合に給付金が支給される「給付金付税額控除」という耳触りのよい言葉も出ています。
しかし、納税者番号導入が背景にあることも見逃せません。
今後の論議の行方に注目しましょう。