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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】 "ロイヤルティ"と"コンサルティングフィー"の違い

海外子会社より日本親会社へ資金還流を行う方法は利益配当が代表的ですが、その他、一般的に“ロイヤルティ”とよばれる ① 無形資産・情報の使用の対価としての「使用料」と“コンサルティングフィー”とよばれる ② 技術提供などを行った対価としての「役務提供取引」もひろく認識されています。しかし、この「使用料」と「役務提供取引」とはそもそも何であるのかについて、疑問が生じることも少なくありません。
OECDモデル条約コメンタリーの定義(※1)によれば、両者は ⓐ「特別の知識・技術の移転」と ⓑ「提供者がすべき事」の基準により分別できます。すなわち、「使用料」の場合は「特別の知識・技術」が提供者側から移転するのに対して、「役務提供取引」の場合はそのような移転がありません(ⓐ基準)。また「使用料」の場合は、提供者側に「特別の知識・技術」の提供以外すべき事が特に存在しないのに対して、「役務提供取引」の場合は、提供者側は契約上の義務を果たすための作業やそれら作業の費用負担を行う(ⓑ基準)ことが必要になります。
日本が各国と締結している租税条約(※2)は「使用料」に制限税率を設けている条約が多く、海外子会社より日本親会社へ「使用料」で送金する場合と「役務提供取引」で送金する場合では、日本親会社の手取り額が相違する場合があります。両者の違いを認識し、実態に沿った形の契約内容にすることが必要です。


(※1 「OECD Committee on Fiscal Affairs Model Tax Convention on Income and on Capital : Condensed Version,28 January 2003」 11.3)
(※2 国家間の二重課税の調整を主目的とした条約。現在、日本は59ヶ国・地域と租税条約を締結しています。