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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】 租税条約における学生・事業実習生等

  租税条約では、学生(student)や事業実習生(business apprentices)(※)の活動を保護するため、これらの者が受けとる所得や給付について、滞在地国で免税とする規定が存在します。

 各国の租税条約のひな型の一つとされるOECDモデル租税条約において、免税の適用要件についてみれば、①専ら教育又は訓練を受けるために滞在する学生又は事業実習生であること、②当該者が、現に相手国の居住者である場合又は滞在地国を訪れる直前に相手国の居住者であった場合であること、③当該給付が、生計、教育又は訓練のために受領する給付であること、④当該給付が滞在地国以外から支払われる場合に限ること、の四つとされています。この場合、滞在地国で支払われる給付は、上記の要件を満たさないことから免税とはなりません。

 我が国が締結をした租税条約についてみれば、先進国との条約ではOECDモデル租税条約と同様の条項となっているのに対し、開発途上国等との条約では、教育又は訓練に関連して、滞在地国で役務提供をしたことにより得た所得についても、滞在地国で免税とするといった条約もあるなど、免税の範囲が相対的に広くとられている場合があります。その場合、すべてを免税とする条約もあれば、一定の限度額を設けて免税とする条約もあるなど、免税に関する取扱いが細かく規定されているケースが多く存在します。したがって、実際に学生・事業実習生について、租税条約による免税の適用を受ける場合には、それぞれの条約の規定を確認する必要が生じます。(※)租税条約上は「学生」及び「事業実習生」の定義はおかれていないことから、条約を適用する締約国の国内法により解釈を行うことになります。