携帯料金の請求書をじっくり見られたことはありますか。
今回は、分割購入と消費税の話をしたいと思います。スマートフォンは10万円を超えるものも珍しくないため、購入する際に分割払いを選択するケースが多いのではないでしょうか。
例えば端末代金が12万円である場合、24回分割のときは、月々の賦払金は5,000円となり、これが通話料に合算して請求されます。この賦払金ですが、請求書をよく見ると消費税が「不課税」となっていることに気付かれると思います。これは、賦払金はローンの元本・利息の支払いであるからです。
しかし、毎月賦払金を含めた請求額全額を課税仕入れとしているケースが実務上多いのではないでしょうか。この処理では、請求書の記載事項と消費税の取扱いは異なることになりますが、購入時に課税仕入れの処理をしていないため、あまり問題にはなっていないようです。
しかし、インボイス開始後は、この処理は認められないと考えられます(2023年1月31日現在)。なぜなら販売会社は販売時に売上を認識しインボイスを交付することになるため、購入者はこの時点で課税仕入れを認識しなければならず、勝手に賦払金支払い時の課税仕入れとすることはできないからです。
リース契約で使用する資産についても類似の問題がありますが、賦払時の経費とする経理処理を採用している事業所は、インボイス開始後には賦払金を課税仕入とすることができなくなるため、その手当は為されるのか、今後の議論を注視したい。