このページではJavaScriptを使用しています。

国内・国際税務、農業の会計・税務コンサルティングを行う税理士法人 成和。

 

HOME > 税理士法人 成和新着情報 > 【国際税務教室】  「住所」 と 「居所」

  • 成和グループ各社
  • 税理士法人 成和
  • 成和ビジネスコンサルティング
  • 上海成和ビジネスコンサルティング
  • ベトナム成和ビジネスマネジメント

税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】  「住所」 と 「居所」

 日本の所得税法では、「居住者」は全世界の所得について納税義務を負います(※1)。これに対して、「非居住者」は国内で発生した所得についてのみ納税義務を負います。したがって、国境を超える者の課税問題を考える場合、どちらのステータスに該当するのかが重要なポイントとなります。
 「居住者」と「非居住者」の判断は、国内外の滞在日数ではなく、「住所」又は「居所」の有無によってなされます(※2)。「住所」とは「生活の本拠」を指し、その者の職業や配偶者・親族の住居、所有資産の所在等の客観的事実を総合して検討します。一方、「居所」とは「住所」が存在しない者が相当の期間継続して居住している場所を指します。このように「住所」・「居所」の判定は画一的でなく、判断に困惑する場合も想定されます。そのため、所得税法関係法令・通達には「住所」の有無の形式的な判断を可能とする推定規定があります。それらでは、海外勤務者は契約等でその者の海外勤務期間が1年未満とされている場合を除き、国内に住所を有しない者(=非居住者)とされます。
 海外勤務者の場合、通常は1年以上の出向辞令を受ける場合が多く、この場合には出国の翌日から「非居住者」とされます。しかし、海外と日本を行き来している者については推定規定が適用されず、「住所」・「居所」の有無により「居住者」、「非居住者」の判定がなされることに注意が必要です。
(※1) 居住者のうち非永住者は、国内源泉所得及びそれ以外の所得で国内において支払われたもの又は国外から送金されたものについてのみ納税義務を負います。
(※2) 日本国内に「住所」を有する場合、又は現在まで引き続いて1年以上の「居所」を有する場合には「居住者」とされ、それ以外の場合には「非居住者」とされます。