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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】租税条約による二重課税の調整

 国境を越えた経済活動を行う場合、一つの所得に複数の国が課税を行う事が想定されます。例えば、日本から中国へ出張を繰り返す者の給料については、日本の国内法上(所得税法上)課税所得とされるだけではなく、中国の国内法上(個人所得税法上)中国に滞在している日数に相当する給料が、(日本で支払われる給料であっても)中国の課税所得にも該当する場合があります。
 このような国際的二重課税は経済活動の障壁ともなる事から、各国はこの障壁を取り除くべく、自国の国内法に二重課税の調整を目的とした規定を設ける(※1)だけではなく、国家間の協力によって二重課税の調整を実現するために、二国間の租税条約を締結しています(※2)。
 具体的には、各国の国内法の規定により国際的二重課税が発生している場合において、関係国間に租税条約が締結されており、その条約の規定に合致する場合には、(租税条約の規定が国内法の規定に優先して適用される事により)二重課税の調整が図られることになります。通常、この調整は非居住者とされる国(以下、「非居住地国」とします。)の国内で発生した所得への非居住地国の課税権が制限されることにより実施されます。
 したがって、国境を越えた経済活動を行う場合には、関係国の国内法はもとより、関係国間の租税条約の有無、締結されている場合には、その内容に留意する事が重要となります。

(※1)日本の場合、海外で納税した税額を自国の納税額から控除するといった「外国税額控除」の規定が設けられています。(※2)日本は、平成25年5月末現在65カ国・地域(54条約)と租税条約を締結しています。