このページではJavaScriptを使用しています。

国内・国際税務、農業の会計・税務コンサルティングを行う税理士法人 成和。

 

HOME > 税理士法人 成和新着情報 > 【国際税務教室】手取契約とグロスアップ

  • 成和グループ各社
  • 税理士法人 成和
  • 成和ビジネスコンサルティング
  • 上海成和ビジネスコンサルティング
  • ベトナム成和ビジネスマネジメント

税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】手取契約とグロスアップ

非居住者および外国法人に、使用料や利子といった源泉徴収の対象となる支払(※1)を行う場合には所得税の源泉徴収を行う必要があります(※2)。日本国内の取引先との契約では、取引金額は総額とする契約が一般的であるのに対して、海外の取引先と契約をする場合には、契約金額を税引後の手取額とする、いわゆる「手取契約」の締結が一般的といえます。手取契約を締結し契約金額の支払をする際、源泉徴収税額はどのように計算するのでしょうか。

そのような場合には、支払額となる税引手取金額を税込金額に逆算し、その逆算した金額を源泉徴収の対象となる支払額として源泉徴収税額を計算する(※3)必要があります。このような「税引後の金額から税引前の金額を逆算する計算」は、一般的に「グロスアップ」と呼ばれておりますが、実務上は何%の税率にてグロスアップを行うかという点について注意が必要です。たとえば、外国法人に源泉徴収の対象となる使用料を払う場合、所得税法上の20%の税率が適用される場合と、当該外国法人の所在国との間に租税条約が締結されており税率が10%に制限されている場合では、グロスアップする税率が異なることから源泉徴収税額も異なることになります。このように、手取契約についてグロスアップを行い源泉徴収税額を計算する場合、租税条約の締結の有無、それによる制限税率の適用について留意が必要となります。

  (※1)所得税法第212条(※2)平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間は、所得税率に対して2.1%の復興特別所得税の源泉徴収が必要となる場合があります。(※3)所得税法基本通達181-223共-4