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税理士法人 成和新着情報

【国際税務教室】非居住者のストックオプション(新株予約権)の取り扱い

  取締役や従業員等へのインセンティブ報酬として、新株予約権(以下、「ストックオプション」とします。)制度が活用されています。一般的に、ストックオプション制度の実施は、権利付与から権利行使を通じて取得した株式の譲渡までの長期間となりますが、その間に海外現地法人に在籍出向するなどして、権利付与者の所得税法上のステータスが居住者から非居住者に変わることも想定されます。そのような場合、課税上どのように取り扱われるのでしょうか。

  ストックオプション制度に対しては、理論上、権利付与時、権利行使時、取得した株式の譲渡時のそれぞれのタイミングでの課税が考えられます。我が国の税制上、ストックオプションは一定の要件を満たす「税制適格」と、それ以外の「税制非適格」に区分されます。税制適格の場合には、権利付与時および権利行使時の課税は繰り延べられ、株式の譲渡時に譲渡所得として課税を受けます(※1)。一方、税制非適格の場合には、権利付与時の課税は繰り延べられますが、権利行使時に(取締役や従業員等の場合には)給与所得として(※2)、株式の譲渡時に譲渡所得として、それぞれのタイミングでの課税を受けることになります。この取り扱いは居住者、非居住者の区別なく適用されることから、非居住者がストックオプションの権利行使した場合であっても、当該オプションが税制適格であれば、課税が株式の譲渡の時まで繰り延べられる(※3)ことから、我が国においては権利行使時の課税は受けないことになります。

 (※1)特措法第29条の二

 (※2)所基通23~35共-6  

 (※3)特措令第19条の3第14項。租税条約の締結がある場合には免税となる場合があります。